言語性IQと動作性IQ

ウェクスラー式知能検査は、知能指数(全体的IQ)を言語性IQと動作性IQに分け、平均値を出します。

知能指数

ウェクスラーを含む一般的な知能検査は、主に言語・数学・知覚能力の高さを測ります。

IQ100を平均値とし、IQ70未満は知的障害と診断されます。知能研究のターマンは、IQ140以上の者を天才と定義しました。

言語性IQ

言語性IQとは、言語理解と作動記憶、知識や言葉の理解から、耳で聴く情報を理解する等、言語にまつわる能力です。

動作性IQ

動作性IQとは、目に見える情報をすぐに理解・記憶する、手や体を動かすことが得意等、感覚と運動に関する能力です。

知覚統合と処理速度の※4つの下位能力に分けられます。

動作性IQが高いとされる人=

具体的には、パズルや間違い探し等の視覚的な認知が得意、

非言語的サインを理解できる、

手作業が素早く器用

発達障害

言語性IQと動作性IQ、上位能力と下位能力の間に大きな数値差があることを、「ディスクレパンシー(乖離)がある」といいます。

例えば、動作性IQがIQ120の人で、言語性IQの作動記憶は70を遥かに下回る等。

全体的なIQは平均かそれ以上に高い、もしくは特定のIQは突出しているにも関わらず、他の特定IQが平均を大きく下回る現象を、ディスクレパンシー(乖離)がある状態です。

ディスクレパンシーが10~15以上ある場合、発達障害の可能性は非常に高いです。

多重知能理論

ハワード・ガードナーの多重知能理論

ガードナーは人間の知能には8つの多様な側面があるとしています。発達障害の人達のうち、これら8つの分野で活躍している方は多い。

1:言語・語学知能:書く、読む、話す、聞く、理解等の言語能力
(作家、ライター、翻訳家、声優、政治家、リポーター等)

2:数学・論理的知能:計算、論理的思考、推理
(エンジニア、プログラマー、会計士、経理、数学者、数学教師等)

3:博物学的知能:知識が豊富、様々な事象の共通点を分析できる、自然に関心が深い
(科学者、研究職、医師、動植物関連の仕事等)

4:音楽・リズム知能:楽器の演奏、歌、ダンス、作曲等
(歌手、演奏家、作曲家、ダンサー、調律師)

5:身体・運動感覚的知能:スポーツ、運動能力、手先の器用さ等
(スポーツマン、体育教師、警察官、俳優等)

6:対人的知能:人との関わり、コミュニケーション能力、共感
(カウンセラー、福祉職、精神科医、看護師等)

7:視覚・空間的知能:目で見えるものや距離感等の観察と記憶が得意
(画家、写真家、デザイナー、建築家、外科医等)

8:内省的知能:自己分析が得意、自分の目的や信念をはっきり持つ
(哲学者、作家、心理学者、発明家、宗教家等)

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